バンクシー作品
作品紹介
I FOUGHT THE LAW(アイ・フォウト・ザ・ロウ)
70 × 70 cm
WEST COUNTRY PRINCE リプロダクション・スクリーンプリント 500エディション
2001年にスコットランドのグラスゴーで開かれた”Peace Is Tough (平和は辛い)”展にキャンバスアートとして初めて登場しました。
版画は2004年にthe British Artから販売されました。
男性が三人の男に取り押さえられています。
男性の手にはオレンジのペンキがついた刷毛、壁には「I FOUGHT THE LAW, AND I WON (法律と戦い、そして勝利した)」とあります。
これはイギリスのバンドThe Clashの1979年の曲「I Fought the Law」の歌詞の一節、
"Fought the Law and the law won (俺は法律と戦い法律が勝った)”
をもじったものです。敢えてこの歌詞を用いることで、バンクシーは法律に果敢に立ち向かおうとする人は常に嘲笑する大衆に打ち負かされる事を描いています。
また、グラフィティアーティストは何度捕まろうが常に勝利する、と捉えることもできます。
捕まった後で何が起ころうともメッセージを壁に残すことには成功した=勝利した、と言えるからです。
誌面に掲載された写真風の作風ですが、この配置は1981年のレーガン大統領暗殺未遂事件の暗殺犯を取り押さえた時の写真の構図を反転したものです。
KATE MOSS(ケイト・モス)
KATE MOSS (Blue)
70 × 70 cm
WEST COUNTRY PRINCE リプロダクション・スクリーンプリント 500エディション
KATE MOSS (Gold)
70 × 70 cm
WEST COUNTRY PRINCE リプロダクション・スクリーンプリント 500エディション
KATE MOSS (Gray)
70 × 70 cm
WEST COUNTRY PRINCE リプロダクション・スクリーンプリント 500エディション
KATE MOSS (Red)
70 × 70 cm
WEST COUNTRY PRINCE リプロダクション・スクリーンプリント 500エディション
イギリスのスーパーモデル、ケイト・モスをウォーホル作のマリリン風に仕上げた作品です。
バンクシーは人々のブランド志向や、内容より人気のある作品がアートシーンで重要視されることを皮肉り「自分はある意味 21 世紀のアンディ・ウォーホルだ」と自称していました。
この作品は、2011 年にケイト・モスが新婚旅行から帰宅した際に、滞在していたホテルのバスルームにバンクシーからのプレゼントとして飾られていたという逸話が残っています。
ウォーホルは肖像画を鮮やかな色彩で着色することによって、モデルの名声を称賛すると同時にショーとしての風刺を表していました。
このケイト・モスもウォーホルのマリリンと同じように 6 種類のカラーバリエーションが存在します。
LAUGH NOW((ラフ・ナウ))
70 × 50 cm
WEST COUNTRY PRINCE リプロダクション・スクリーンプリント 500エディション
元はイギリス南西部のブライトンにあるオーシャン・ルーム・ナイトクラブから 2002 年に依頼されたコミッション作品で、抑圧された猿達が 10 匹描かれた 6 メートルに及ぶ壁画です。
ダーウィンの進化論を揶揄していると言われています。
サインボードにはこう書かれています。
Laugh now, but one day We'll be in charge (今は笑ってろ、でもいつか俺たちが支配する)
2003 年にロンドンでゲリラ的に開催された伝説のエキシビション「Turf War」にも展示された作品です。
ネズミに並んで猿もバンクシーにとって重要なモチーフであり、メッセージの力強さも相まって最も人気の高い作品のひとつです。
LOVE IS IN THE AIR(ラブ イズ イン ジ エアー)
LOVE IS IN THE AIR
50 × 70 cm
WEST COUNTRY PRINCE リプロダクション・スクリーンプリント 500エディション
LOVE IS IN THE AIR(GOLD)
50 × 70 cm
WEST COUNTRY PRINCE リプロダクション・スクリーンプリント 750エディション
「風船と少女」と並び最も有名でバンクシーを代表する作品のひとつ。
バンクシーは活動初期か らパレスチナ問題に焦点を当てた作品を多数発表しています。
この作品はイスラエルがパレスチ ナを分断するため建築した分離壁に 2003 年に描かれました。
760km にも及ぶこの壁に対し、バンクシーは『世界で最も巨大な野外刑務所』と呼んで非難しました。
2005 年に再びパレスチナを訪れたバンクシーは、この作品のカラーバリエーションを含む 9 点の壁画を残します。
その際イスラエル兵に何度も銃を向けられたといいます。その後ガザ侵攻後の 2015 年、2017 年にもバンクシーは再びこの地を訪れ作品を残しています。
1960 年代の反体制派の活動家を思わせるような格好の人物が手にしているのは火炎瓶や石ではなく花束です。
暴力的手段は更なる暴力を呼ぶ、どのような変革も平和的手段でなされるべきという強い思いと、傍観者にはなるな、あなた次第だーというメッセージが込められています。
バンクシーを象徴する作品です。
LOVE RAT(ラブ・ラット)
50 × 35 cm
WEST COUNTRY PRINCE リプロダクション・スクリーンプリント 500エディション
リバプールのストリートに壁画として描かれ、2004年にRADAR RATやGANGSTA RATなど他のラットシリーズと共に出版されました。
ネズミが今ペイントし終えたばかりのハートからはストリートアートによく見られるように絵の具が垂れているので、これも町中に描かれたものだと想像できます。
ハートの絵は描かれた町中に愛をもたらすように見えますが、滴る赤い絵の具は血を流しているようにも連想できます。
愛のポテンシャルは喜びだけでなく痛みと苦痛ももたらすものとして、バンクシーはウェブサイトでこの絵を「浮気した相手に最適」と冗談めかして紹介しました。
ARTのアナグラムでもあるRAT/ネズミはバンクシーにとって最も多作な主題のひとつであり、ネズミやサルは時に人間のような特徴を与えられて、人間の悪習や欠点などを人々に気付かせるために寓話的なモチーフとして度々作品に登場します。
現代社会におけるアウトサイダーであるネズミを描いた作品はバンクシーを象徴する作品として特に高い人気を博しています。
MONKEY DETONATOR(モンキー・デトネイター)
50 × 70 cm
WEST COUNTRY PRINCE リプロダクション・スクリーンプリント 750エディション
チンパンジーが身体全体を使って起爆装置のハンドルを押し込もうとしているこの作品、モンキー・デトネイターは2000年代初期にステンシルアートとして描かれました。
デトネイターとは爆薬の起爆装置を意味します。
モンキー・デトネイターはいくつかのバリエーションが存在します。
当初はチンパンジーと起爆装置のみで、ステンシルアートのエッセンスを残したモノクロのシンプルな作品でしたが、後に金庫とバナナの爆薬が付け加えられました。
バナナの黄色が作品をよりポップな印象にしています。
このバージョンは2006年にロンドンのウォータールー駅の周辺でストリートアートとして登場したのが最初だと言われています。
サルは人間の悪徳、貪欲さ、愚かさの象徴としてバンクシーが好んで描くモチーフです。
この作品は「LAUGH NOW」と同じように、動物虐待に対する批判のメッセージとも、抑圧された労働者階級の代弁者である猿の反撃を表しているとも様々な解釈がされています。
MONKEY QUEEN(モンキー・クィーン)
50 × 34.5 cm
WEST COUNTRY PRINCE リプロダクション・スクリーンプリント 500エディション
初めてイギリスのグロスター州にある小さな町のユースクラブの壁面に描かれたこの絵には、
『英国社会で最高の地位は才能や勤勉に対する報酬ではなく、出生の事故によって与えられるという事実を祝福しよう。女王陛下万歳』
そんな過激な言葉が添えられていました。
君主制と国旗に対する不敬だとして苦情が寄せられ、バンクシーゲートとして紙面を賑わせました。
英国政府は女王の即位50周年祝典の期間中は絵を外すようユースクラブに要請しましたが、それもまた表現の自由に反するとして反発を呼びました。
結局はユースの代表が差しさわりのない英国旗のポスターに置き換えています。
ちなみに女王の即位50周年にあたる2012年には、もっと保守的な若い頃の女王の肖像がブリストルの街に描かれています。
MONKEY, KEEP IT REAL(モンキー、キープ・イット・リアル)
70 × 50 cm
WEST COUNTRY PRINCE リプロダクション・スクリーンプリント 750エディション
2003年にバンクシーはキャンバスに黒一色で「Keep it Real」と書かれたサンドイッチボードを首から下げたチンパンジーの絵を15部のみ作成します。
Keep it realはスラングで「自分に対して正直であれ、自分を見失うな」という意味で使われます。
同じ年に、今ではバンクシーを象徴する作品となった「Laugh Now」を発表しました。
この他、「Lying to the police is never wrong(警官にうそをつくことは間違ってはいない)」というメッセージの作品も作成しましたが、これはエディション付で発表される事はありませんでした。
Keep it Realはスチール版にステンシルで描かれた作品が2006年にLAで開催された伝説の催事「Barely Legal」展で発表されました。
また、この版のように背景が赤いバージョンや、チンパンジーの代わりに少年が描かれたバージョンがあります。
MORONS (BRONZE)(モロンズ/愚か者たち)
56 × 76 cm
WEST COUNTRY PRINCE リプロダクション・スクリーンプリント 500エディション
1897年3月、クリスティーズ・ロンドンで開催されたオークションで、ゴッホの「ひまわり」が当時の市場最高額£2250万(約50億円)で落札されました。(落札者は当時の安田火災海上保険)
この「Morons」はその時のオークション場面を元に描かれています。
ゴッホの作品が飾られていた場所にはひまわりの代わりに英文でメッセージが書かれています。
'I CAN'T BELIEVE YOU MORONS ACTUALLY BUY THIS SHIT'(信じられない、こんなゴミ作品を実際に買うお前たちみたいな間抜けがいるなんて)
落札者が日本の企業なので辛辣なメッセージは耳が痛いですが、価格が高騰していく芸術のエリート主義や、アート業界の富の不条理をストレートに批評した作品です。
Moronsが発表された2006年当時、バンクシーの版画は5-6万円程度で購入が可能でしたが、彼の作品は高騰を続けています。
有名な2018年の「風船を持つ少女」シュレッダー事件のようないたずらでバンクシーはアート界の商業主義に対し批判を表してきましたが、そういったパフォーマンスが更にバンクシー作品の市場価値を高めるという何とも皮肉な結果になっています。
NAPALM(ナパーム)
50 × 70 cm
WEST COUNTRY PRINCE リプロダクション・スクリーンプリント 500エディション
バンクシーの中でも最も辛辣で強力な作品のひとつです。
1972年6月8日、ベトナム戦争下でナパーム弾から逃げる少女、キムフックを捉えたニック・ウトの写真「戦争の恐怖 The Terror of War」は、ベトナム戦争が民間人を巻き込んだいかに残虐なものか全世界に示しました。
この歴史的写真は翌年ピューリッツァー賞を受賞し、反戦運動の象徴となりました。
この作品で一緒に描かれているのは、ミッキーマウスとロナルド・マクドナルドという、世界で最も知られるキャラクター。
泣き叫ぶ少女の苦痛にも無頓着に笑顔で少女の腕をしっかり捉えた二人の姿は見る人を困惑させます。
バンクシーはこの作品で、搾取される国と消費主義の国を痛烈に批判していると考えられています。