バンクシー作品
作品紹介
3 MONKEYS(スリーモンキーズ)
56 × 76 cm
WEST COUNTRY PRINCE リプロダクション・スクリーンプリント 特別版 200部限定
看板を首から下げたサルの絵が初めて登場したのは2000年、ロンドンの野外エキシビションでトンネルの壁画に描かれました。エディション版画LAUGH NOWの元になったのは、イギリスのブライトンにあるオーシャン・ルーム・ナイトクラブから依頼され、店内の壁6メートルに渡って10匹の猿たちを描いた2002年の作品です。LAUGH NOWには様々なバリエーションが存在し、2017年にオランダのアムステルダムのMoco MuseumでTen Monkeysが展示されました。その中の3匹に焦点をあてたのが3 Monkeysです。
両端の二匹の猿は「 今は笑ってろ、でもいつか俺たちが支配する 」と書かれたボードを下げていますが、真ん中の猿のボードには何も書かれていません。ネズミと並んで猿もバンクシーに
とって重要なモチーフで人気のアイコンですが、自由や権利を奪われ、抑圧された人の象徴であるとも言われています。肩から看板を下げてストリートに立ち、自己を消して人間看板と化した人の姿は、機械によって労働を奪われた現代人の極致とも言えるでしょう。そして看板のひとつを空白にし、ここにはなぜ何も書かれていないのか、どんなメッセージが書かれるはずだったのか。自分ならどんなメッセージを書くのか…。
あえて余白を残したところに、バンクシーが鑑賞者に考えてほしかった何かがあるのでしょう。
BASQUIAT FAIRGROUND(バスキア フェアグラウンド)
70 × 70 cm
WEST COUNTRY PRINCE リプロダクション・スクリーンプリント 200部 エンボス
2017年にロンドンの文化施設、バービカンセンターで行われたジャン=ミシェル・バスキア大回顧展に合わせ、近隣のトンネルの壁に描かれた二つの壁画のうちの一つ。バンクシーはこのバービカンでの制作について自身のインスタグラムに複数のポストを投函し、この観覧車の作品について「いつも壁に描かれたグラフィティを消すのに熱心なバービカンで、バスキアの大規模な展覧会が始まる」という皮肉めいたキャプションを記しました。バスキア展を訪れた多くの人々がこの壁画も鑑賞し、過去最大規模の回顧展は結果的に20万の来場者を記録して、バービカン史上最も成功した展覧会となりました。
この作品の観覧車にはバスキア風のタッチの王冠が印象的にかたどられています。バスキアはミュージシャンやスポーツ選手などヒーローを象徴するためによく王冠を描いていましたが、同じく王冠をかぶっている自分自身も描いていました。当時白人中心のアート界で、差別に対する憤りなど様々なメッセージを作品に込め、ストリートアートを芸術の分野にまで引き上げ、アフリカ系アーティスト初の成功を収めたバスキア。そのバスキアを彷彿とさせる王冠をかたどった観覧者に乗るために、人々が列をなす様子は回顧展に並ぶ人々を連想させ、バンクシーのバスキアに対する深い敬意を感じ取ることが出来ます。
BANKSQUIAT(バンクスキア(バスキアトリビュート作品))
56 × 76 cm
WEST COUNTRY PRINCE リプロダクション・スクリーンプリント 200部 エンボス
2017年にロンドンのバービカンセンターで開催されたジャン=ミシェル・バスキア大回顧展に合わせるように描かれた壁画の一つ。1982年のバスキア作「Boy and Dog in a Johnnypump」という、真夏のNYで消火栓を開いて水しぶきを浴びている少年と犬を描いた絵がモチーフとなっています。バスキア展を訪れた多くの人がこの壁画も鑑賞し、過去最大規模の回顧展は最終的に20万の来場者を記録してバービカン史上最も成功した展覧会となりました。
白人中心だった1980年代のNYアートシーンで成功を収めた初のアフリカ系アーティストでもあるバスキアは、差別に対する憤りなど様々なメッセージを作品に込めてストリートアートを芸術の分野にまで高めました。今では最も高額な作家の一人と言われています。少年(バスキア)が警官にボディチェックを受ける様子は、人種や国籍などによる偏見で個人を捜査の対象とする「レイシャルプロファイリング」の批判と捉える事もできますが、バンクシーはこの絵を「警官に歓迎されたバスキア」と説明しました。バスキアのような黒人作家を商品化しつつ、完全には受け入れていない白人中心の美術界に対する問題提起と考える事もできるでしょう。同じくストリートから経歴をスタートしたバンクシーの、バスキアに対する敬意が感じられる作品です。
DEVOLVED PARLIAMENT(退化した議会、モンキーパーラメント)
60 × 100 cm
WEST COUNTRY PRINCE リプロダクション・デジタルプリント 200エディション
イギリス下院の議員をチンパンジーに置き換えたこの作品は、最初に英国ブリストルの美術館で2009年に開催された「Banksy vs Bristol Museum」展に「クエスチョン・タイム(質疑応答)」というタイトルで出品されました。バンクシーの油彩画としては最大の2.5x4.2mという大きさで、2011年に個人収集家に売却されました。
初登場から10年目の2019年、ブレグジットの最初の離脱期日であった3月29日の前日に、サイズを変更して細部に修正を加えたリワーク作品が前述のブリストル美術館で展示されました。「退化する議会」と改題されたこの作品は、EU離脱で混迷するイギリス議会をバンクシーは10年前に予見していたとして話題になりました。ブリストルでの展示を終えた同年10月3日にロンドンのサザビーズオークションに出品され、当初の落札予想価格150~200万ポンドを大幅に上回る約990万ポンド(約13億円)で落札され、当時のバンクシー絵画の最高落札価格を記録した事で大きな注目を浴びました。(現在では4番目の高値となっています)
FLOWER THROWER(フラワースロワー)
70 × 70 cm
WEST COUNTRY PRINCE リプロダクション・スクリーンプリント ローマ数字CC版
1960年代の反体制派の活動家を思わせるような格好の人物が投げようとしているのは、火炎瓶や石ではなく花束-という印象深いこの作品は、「風船と少女」と並びバンクシーを代表する作品のひとつです。2003年にパレスチナの分離壁に描かれた壁画が最も有名ですが、様々なバリエーションが存在します。 2005年にはバンクシー本人が編集した公式作品集『Wall and Piece』の表紙を飾りました。この作品集の中でバンクシーはこう語っています。
「私は、西側の民主主義社会の中で匿名で立ち上がり、今では誰も信じていない- 平和、正義、自由といったものを求める勇気があると思いたいのです」
白い背景で花束に色が付いた2006年作のキャンバス画が、2021年5月開催のサザビーズ・ニューヨークのオークションで予想を大幅に超える約14億円というバンクシー歴代3位の高額落札となりました。日本でも開催された「バンクシーって誰?」展では同じく2006年作の色違い(背景がセピア色)のキャンバス画が出品され話題を呼びました。
暴力的手段は更なる暴力を呼ぶ、どのような変革も平和的手段でなされるべきという強い思いが込められたバンクシーを象徴する作品です。
JUDO(柔道)
76 × 56 cm
WEST COUNTRY PRINCE リプロダクション・スクリーンプリント 200部
2022年11月バンクシーは、多くの建物が瓦礫と化した首都キーウ近郊の町ボロジャンカなど、戦火のウクライナに潜入し、壁画7点を残した事を動画で発表しました。爆撃を受けた建造物の壁に描かれたこの作品は、大国ロシアを打ち破る小国ウクライナを表しているとされています。プーチン大統領が黒帯有段者の柔道愛好家として知られている事を逆手にとり、バンクシー流の皮肉とユーモアで、ロシアのウクライナ侵攻を痛烈に批判しています。
また、ウクライナ郵便局は、侵攻から1周年のタイミングでこの壁画を印刷した切手を発行しました。これまで作品の商用利用については断固認めない姿勢を貫いていたバンクシーですが、自身のインスタグラムにこの切手の画像をかかげる事で公認の意を示しました。
この事がウクライナの人々に勇気を与え、この柔道の壁画は「不屈のシンボル」として賞賛され、首都キーウの中央郵便局には、この切手の購入を熱望する市民が連日行列を作りました。
なお、切手の販売収益は、ロシア軍によって破壊された学校の復興など、人道的支援に寄付され、ウクライナの再建に役立てられるという事です。
GIRL WITH BALLOON(風船と少女)
GIRL WITH BALLOON (Purple)
70 × 50 cm
WEST COUNTRY PRINCE リプロダクション・スクリーンプリント 特別版150エディション エンボス・手書きED
GIRL WITH BALLOON (Pink)
70 × 50 cm
WEST COUNTRY PRINCE リプロダクション・スクリーンプリント 特別版 H.C 50エディション エンボス・手書きED
GIRL WITH BALLOON (Gold)
70 × 50 cm
WEST COUNTRY PRINCE リプロダクション・スクリーンプリント 特別版 100部限定
バンクシーにとって最も重要な作品のひとつであり、世界中で評価される切っ掛けとなった作品でもあります。
風船の色やキャンバス版など様々なバリエーションが存在します。
2017 年にはサムソンの調査でイギリスで最も人気のあるバンクシー作品(シリーズ)との結果が発表されました。
オリジナルの Girl with Balloon は 2002 年、ロンドン南部サウスバンクにあるテムズ川沿いの階段の壁画として登場しました。
「THERE IS ALWAYS HOPE」(希望はいつもそこに)というメッセージ が添えられていました。
他にも様々な「少女と風船」がロンドン各地に描かれましたが、グラフィティアートの宿命として、現在では市の職員によって全て塗り潰され現存していません。
風船と少女のモチーフは繰り返し登場します。2014 年にシリア難民の少女を描いた作品を発表し、反戦キャンペーンはネットを中心に世界に広がりました。
2018 年にはロンドンのサザビーズ・オークションに出品され、落札と同時に額に仕掛けられたシュレッダーによって絵が裁断され、人々を驚愕させました。
半分裁断されたこの作品は『愛はごみ箱の中に』と新たに名前を付けられ、2021 年 10 月に再びオークションにかけられバンクシー作品では過去最高額の約 29 憶で落札されています。
LOVE IS IN THE AIR(ラブ イズ イン ジ エアー)
50 × 70 cm
WEST COUNTRY PRINCE リプロダクション・スクリーンプリント 特別版200エディション
「風船と少女」と並び最も有名でバンクシーを代表する作品のひとつ。バンクシーは活動初期からパレスチナ問題に焦点を当てた作品を多数発表しています。この作品はイスラエルがパレスチナを分断するため建築した分離壁に2003年に描かれました。760kmにも及ぶこの壁に対し、バンクシーは『世界で最も巨大な野外刑務所』と呼んで非難しました。2005年に再びパレスチナを訪れたバンクシーは、この作品のカラーバリエーションを含む9点の壁画を残します。
その際イスラエル兵に何度も銃を向けられたといいます。その後ガザ侵攻後の2015年、2017年にもバンクシーは再びこの地を訪れ作品を残しています。1960年代の反体制派の活動家を思わせるような格好の人物が手にしているのは火炎瓶や石ではなく花束です。暴力的手段は更なる暴力を呼ぶ、どのような変革も平和的手段でなされるべきという強い思いと、傍観者にはなるな、あなた次第だーというメッセージが込められています。バンクシーを象徴する作品です。
DI-FACED TENNER
ダイアナの顔の10ポンドと題されたこの作品は、2004年に発表されました。DIはダイアナ妃の名前の他に、Defaced (傷づけられた)との語呂合わせとなっていて、イギリス王室と複雑な関係であった元妃を表しています。”Bank of England"の代わりに”Banksy of England”と印刷され、裏面はダーウィンの下の言葉が”Trust No One"と書き換えられました。紙にインクで印刷されたこの偽紙幣は、本物の10ポンド紙幣と良く似ていました。
資本主義を皮肉ったこの作品/偽札は2004年8月に少なくとも10万部、計100万ポンド分作られました。アートスタントによって、スーツケースに入った偽札がノッティングヒルカーニバルとレディングフェスティバルの会場でばらまかれると、それを本物の紙幣として会場やパブ等で使う人が続出したため、すぐに回収されています。天からお金が降ってきたらどうするか、というプロジェクトでしたが、人々は普通に偽札を使い、後にこれがバンクシーのプロジェクトだと判明すると価値が跳ね上がり、偽札のコピーがネットで出回るという皮肉な結果となりました。バンクシーによる最も悪名高いプロジェクトの一つとして現在では記憶されています。2019年2月に大英博物館が公式にこのパロディ紙幣の所蔵を決定した事で話題となりました。